赤ちゃん連れママに対する日仏リアクション比較
日本への帰国は5ヶ月ぶりで、実は前回の帰国からたいして時間が経っている訳ではない。
ご飯も美味しいし、便利だし、やはり日本はラクだ…。
しかし、今回の帰国は少し違った。
帰国すると「やっぱりいつかは日本に戻りたい!」と思っていたのだが、今回「この国で子育ては無理だわ…」に変わって行った。
フランスは言わずと知れた個人主義の国だ。
その一方で、「妊婦や赤ちゃんを連れたママを優先させる」というのが、ある意味文化として染み付いている。
例えば、抱っこ紐を使う習慣のないフランスのママは、どこに行くにもベビーカーで外出する。ほとんどのメトロの駅がエレベーターが無かったり、エスカレーターすらない駅も結構あるのにだ。
しかし、階段に向かうと、どこからともなく「ベビーカー持ちましょうか?」と誰かしら手を差し伸べてくれるのだ。
もちろん、それに対して一言「Merci(ありがとう)」とお礼を述べるのだが、相手もサラッと去って行くのである。まるで、お互いそれが当たり前の事のように。
日本でも沢山の優しい人達に出会い、心温まる思いもした。
でも、ベビーカーで電車や狭い道を通る時、まるで自分は迷惑行為をしているようになるには気のせいだろうか。
「すみません」、「ごめんなさい、通ります…」と言う度に心がすり減って行く。
や、恐らくほとんどの人が「謝る必要なんてないのに…」と思っていると思うのだが(そう願いたい…)、「ありがとうございます!」と言いながら道を通るのも何かおかしいし。。。
誤解を恐れずに言えば、私は向こうから気付いて道を開けてほしいのだ。そうすると、「ありがとうございます」が成立するから…。
もしかしたら、日本在住ママはこんな事は普通で、私がフランス被れしているだけなのかも知れない。
でも、日本が本当に「おもてなし」の国なのであれば、相手を気遣う事はできるはず。
私は日本の赤ちゃんママパパ社会が「ありがとう」で溢れる事を願ってやまない。