パリのグローバル企業でぼやく①生産性ってやつ
今や「働き方改革」と言う言葉をメディアで耳に(目に)しない日はない。
多くの会社が、人間外労働を減らしたり、テレワークを取り入れたりと、本気で取り組んでいる(ように外の人間からは見える…)。
しかし、日本に久しぶりに帰ってくると、
「このサービスレベルを維持しながら、労働時間減らせって!?」
と懐疑的にならずは居られない。。
相変わらずのサービスの手厚さに驚きを隠せない。
そして、それは日本が他国と大きく差別化、優位化するに当たって、明らかに欠かせないファクターなのである。
多くの企業が、御上から言われて採用した働き改革。うまく行かなくて当然だと思う。
そんな中、日本企業で若干2週間(しかもクライアント先)で働いた仏人旦那が、こう戯けるのである。
「日本人ってホント生産性低いよなー。何かやたら残業する割に翌日何にも出てこねーの」って。
「いやいや、私らあんたらみたいに目的達成すればOKって訳じゃないすから!
オフィスを綺麗に使うとか、丁寧なコミュニケーションを心掛けるとか、めっちゃ「その他」も完璧にこなしたい完璧集団なんで!!」
って言いたい。
けど…。
けど……。
そんなんじゃ全然通用しない。
てか、だれもそんなん求めてない。
ロックダウン中、当時対応していた私のクライアント先も例に漏れずテレワークだった。
私は日本市場の調査を任されており、チームは国籍バラバラ(フランス人も一人だけ)のまさにグローバルチームであった。
さて、ミーティング…っとなり、私は日本人らしく10分前にはオンラインで待機していた。
が
時間ピッタリに一人スタッフが入ってきたかと思うと、一番下っ端A(新卒)、次にパートナー(偉い人)、マネージャー…の順番でミーティングに現れる。
しかし、もう一人いる一番下っ端B(同じく新卒)が来ない。
全っ然入ってこない…。
そして、だれも電話で呼び出したりすることもなくB抜きで会議は開始され、私は「ええんかー!?」と心の中で叫びつつ、15分ほど経ってからシレっと下っ端Bが入って来るではないか。「ごめんなさいとかないのー!?」と思いつつも、みんな全然気にしない…。
一通りマネージャーの話が終わったのち、「誰か質問とか共有事項とかありませんかー?」
と言った瞬間、なんと下っ端Bがガンガン質問やら何やら話し出すでのである。
そんで、パートナー(偉い人)なんか「良いポイントついてるね」とか言うのである…。
「なんやこれ」
彼女、たぶん私より5~10歳くらい年下だと思うが、社会人10年目でおばちゃんは「生産性」てやつをこの若者から学んだのである。
因みに彼女、スペイン人。フランス語、英語、もちろんスペイン語が堪能である。
その時、改めてアウトプットの重要性を見せつけられた気がする。グローバル企業では、遅刻しようが、寝坊しようが、発言力・質問力なのである。
下っ端B、いつかきっと大出世するに違いない。(エクセルもうちょっと頑張らなあかんけど。)
日本で丁寧に時間を掛けて仕事をし、場を読んで発言をする癖のついている私。
もう少し生産性を意識しなければ。
「新卒は30分前に出社!」とか言っているそこの貴方は、もしかしたらグローバルビジネスで置いてけぼりになってまうかもしれない…。
そして、規律正しさを重んじる日本の文化に息苦しさを感じている(けど仕事はできる)そこの君は…
大丈夫です。
15分遅刻しても、アウトプットだけ出していればちゃんと評価される世界もちゃんと用意されている。