海外生活で鬱になった話①
長く海外生活をしている人の多くが、鬱っぽい症状を経験していると思う。
私もその一人である。
もともと私は自分でも明るい性格だと思っていたし、周りからも「悩みなさそう」とか「社交性がある」とか言われるタイプだった。
なので、初めてアメリカに留学した時も、「私は絶対大丈夫!」と心のどこかで思っていた…。
が、やはり25年以上日本で生活してきた人間が、いきなり海外で生活するのは並大抵のストレスではないのである。
言葉も違えば、常識も違う。
日本では「ニコニコして人当りの良い人」も、一歩外(海外)に出れば「にやにやしているだけで意見のない、何考えてるか分からんヤツ」なのである。
そして、外国人と比較すると、日本人は他人を気にして生きる傾向が強いため、(恐らく)本人たちにその自覚がなくとも、周りからぞんざいに扱われているような気がしてきて、「あぁ…こんな国に来なければ良かった」という気持ちになるのである。
アメリカの場合、留学なのでそれほど深刻にならずに済んだのだが、昨年の冬、ここフランスでとうとう鬱っぽくなってしまったのである。
フランスに移住して初めての仕事、2年ほど労働のブランクがあったことも影響していたのだろう。フランスなまりの英語に慣れず、なかなかうまくコミュニケーションが取れないことや、うまく仕事が回らないこと、何だか色々とストレスだったのだろう。
そのうち、毎日のように急に動悸がしたり、涙が出てきたり、食欲がなくなったり、あげく旦那にあたりまくったりするようになったのである。
自分でもコントロールできない感情に、正直お手上げであった。
「離婚して日本に帰ったら良いのかな」
とまで思った。
あぁ…もう半年以上も前のことなのに、思い出しても辛い。
そんなこんなで、大爆発した私のストレスに、旦那も横で一緒に泣いていた。
当時1歳の息子も心配して、抱きしめてくれた。
結局私は、自分が相当ヤバイことに気が付いていたため、自ら心療内科の門を叩いたのである。